建物は基礎と骨組み

家は買うものではなく、建てるもの

家を建てる施主さんと家を建てる棟梁が顔と力を合わせて建てるのが本当の家づくりです

匠

木を寝かせるということ

匠が物申す vol.20
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乾燥させるために置いておくことを、材木を「寝かせる」と言います。

寝かせるのは、含水率をしっかり下げるため。

【ながら加藤建築】木を寝かせる

切ったばかりの木は、生きているわけですから根っこから水を吸い上げているため水分を含んでいます。根かせて乾いていくに従って、その子(木)の癖が出てくるのです。

材木屋さんで、材木を何年も寝かせているということは、なかなかありません。大工も同じです。なぜなら、材木を寝かせておくにはそれなりのスペースが必要だからです。

ながら・加藤建築では安心して建てたいので約100坪のスペースに、たくさんの材木をいつも寝かせています。

【ながら加藤建築】木を寝かせる

なかには15年の子もいます。

 

寝る子は育つ。家になる前には「しっかり寝かすこと」が重要!

年ほど寝かせると、通し柱として使えない子(木)も出てきます。製材にかけると、一度はまっすぐになるのですが含水率が落ちていくと、再び、ねじれてくるのです。

【ながら加藤建築】木を寝かせる

最初は6寸(約18cm)だったものが、曲がってきたものを再度、製材にかけると5寸(約15cm)になるなどどんどん細くなっていってしまうので、そうなると、通し柱には使えません。別の場所に使うことになります。

ねじれている子(木)は、支え合う所に持っていくしかなくなり周りのみんながそれを、支えなければならないのです。ねじれそうになるのを我慢してもらうしかないんですね。最初は、どの子もみんな普通に四角い材木なんです。

でも、寝かせておくと、すぐにねじれていくのがわかります。

 

ねじれていても実はイケメン?どんな木でも家になります

一番ねじれがひどかった子(木)は、7寸角(約21cm)の1寸(3cm)ほども、ねじれました。

製材をかけてみたぐらいでは、わからなかったのですが ちょっと穴が空いていたので、半分に切ってみたら もの凄く固いんですよ。固くて、固くて。そして、中に腐りが入っていました。

どうやら、まだ若いうちに雷か何かが落ちたのでしょう。太い枝が折れてしまったようだということがわかりました。ねじれている子(木)は短い管柱ぐらいにしか使えないのですが、その子は、管柱に使うのすら難しそうでした。

いじめられた子(木)は、ねじくれていっちゃうんですね。うまくつかってあげたいけど、難しい。

しかも、そういう子(木)に限って、顔はいい。

【ながら加藤建築】木を寝かせる

イケメンなんですねぇ!(笑)

そんなわけで、見た目が白くてきれいな柱が家の奥の隅っこのほうの短い柱に収まっているということも実は、あるんですねぇ(笑)。

 

適材適所、気長にみて収める。それが棟梁の技量

そうやって、どの子もゆっくり寝かせることで適材適所に、どう収めてあげればいいのか気長に見てあげています。

その子(木)たちのことを何年も見て把握します。

だからこそ、かなり曲がっている長い柱でも、自信を持って組むことができるんですね。

「家を一件建てるには、山ごと買え」

とは法隆寺の鬼と呼ばれた、宮大工棟梁の西岡常一氏の言葉。

実際に、山ごと買えたなら、南で育った子は、南で、北で育った子は、北で使うなど育った通りの配置にしてやることで、それぞれの特長を活かせると言われています。

そんなことができれば……そして、それを寝かせてから使えたらさらに丈夫で安心できる家を建てられるでしょうね。


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