建物は基礎と骨組み

家は買うものではなく、建てるもの

家を建てる施主さんと家を建てる棟梁が顔と力を合わせて建てるのが本当の家づくりです

匠

棟梁の技量~ひとつだけ失敗する器~

匠が物申す vol.13
  • 大黒柱
  • 新築
  • 棟梁の話

【ながら加藤建築】大黒柱と日本家屋の棟梁の技量
「建前」のときに失敗が見つかることがあります。それについて、長楽・加藤建築では「間違いじゃないでね」と説明します。というのも、

完璧な家を建ててしまうと
その家主の家系は、それ以上繁盛しない

と古くから言われているからなんです。

間違いではなく、施主さんを想ってのことだと
説明するのです。

実際に、昔は、子どもや孫、ひ孫の代までひとつの家に住んだので、建物がその家系に大きく影響すると考えられていたのでしょう。

 

ひとつの間違えで切腹???

人から聞いた話なので、曖昧ですが日光東照宮での話として聞いたものです。この「ひとつだけ間違えると繁盛する」という言い伝えから、棟梁は日光東照宮の繁盛……つまり、徳川家の繁盛を願って柱を一本だけ逆さまにして建てたそうです。ただし、間違えていることがわかると大問題ですのでわからないように、その柱には彫刻を施したそうです。

【ながら加藤建築】大黒柱と日本家屋の棟梁の技量

ところがお披露目のときに、名も無いおばあさんに

「なんで、この柱だけ上下を間違えたまま建てたのか」

と指摘されてしまいました。

指摘されたその棟梁は責任を負って
切腹したという言い伝えがあります。

職人が素人に間違いを指摘されたわけですから戦国時代なら、確かに切腹もあり得るかもしれません。棟梁は、それぐらいに間違いにはシビアであり将軍の「繁盛」は、今では想像できないぐらいのとても重要なものだったのでしょうね。

 

長楽・加藤建築の建てる家で見つかる間違い…(反省)

長楽・加藤建築で建てる家で見つかる間違いもありますが、もちろん小さなものです。

【ながら加藤建築】大黒柱と日本家屋の棟梁の技量

『つか』といって屋根の重さを分散して伝えるための45㎝ぐらいの小さな柱があるのですが、その長さを1.5㎝程度間違うなどの小さな失敗です。

【ながら加藤建築】大黒柱と日本家屋の棟梁の技量

僕らも、三度は確認するんですが、何千もの部材を使うわけですからどうしても見落としが出てしまい、それが建前の段階で見つかるわけです。

とはいえ、実際にはミリ単位の間違いも
うやむやにすることはありません。

だからこそ、棟梁が建てた家は、何十年経っても手入れさえしていれば、歪みや隙間が出てこないのです。

 

大黒柱と土壁のある日本家屋がわかる本

大工の棟梁が心意気で配る、思いの詰まった小冊子!

匠が物申す

クリックすると該当項目が上位表示されます

匠が物申す!

日本家屋・木造住宅の大工「棟梁」として

現代の住宅事情が抱える実はという問題や
これから起こるかもしれない様々な局面を

日本の風土や気候に合った「日本家屋の棟梁」 だから話せるそんなお話をまとめたシリーズ 「匠が物申す!」
日本家屋の基礎にある「棟と梁」「大黒柱」「土壁」

ようやく見直され始めた「日本のものづくり」
「大工仕事」の観点から分かり易く解説していきます。