建物は基礎と骨組み

家は買うものではなく、建てるもの

家を建てる施主さんと家を建てる棟梁が顔と力を合わせて建てるのが本当の家づくりです

匠

家はゆっくり建てるものだった

匠が物申す vol.23
  • 大工の知恵
  • 新築

【ながら加藤建築】スローライフ日本家屋

若い世代の人と話していると、結婚して、いずれマイホームを持ちたいという人もいらっしゃいます。その場合、マンションになるか、持ち家になるか好みによって分かれると思います。もちろん、転勤が多いから賃貸でいいという人もいるでしょう。「家のこと勉強していますか?」でお伝えしていますが

「家」を建てたいと思うなら家のことを
しっかり
勉強して欲しいと思います。

インターネットのおかげで、勉強しやすくなっていますので、検索してキーワードを入れれば情報収集できるはずです。僕のホームページにも、よく「大黒柱」などで検索して訪問してくださる方がいらっしゃいます。でも、簡単に検索できるようになった分、検索上位に上がってくるページの情報を、鵜呑みにしてしまう危険性もあります。それも実は、怖いのですが…。

 

「節分」から始まる1年をかけて建てる家

昔の大工さんの仕事は「節分」から始まりました。

【ながら加藤建築】スローライフ日本家屋

節分は、旧暦の正月。年度の変わり目なので、新しく何かをスタートするのに良い日だと言われていました。
木を切るのに良い時期があるという話を以前の記事でも書きました。12~1月ごろです。冬は、木が水を吸い上げなくなるため、虫が入りにくいのです。夏場に切った木を使うと、必ず虫だらけになるので。12~1月ごろに切った木を、皮をむいたり、製材しておいたりしてから3ヶ月の間、寝かせておきます。そして、翌年の節分になったら、建て始めるわけです。こだわりのある方は、建て始めたいと思う時期の一年前の節分から、木を集め始めていました。

もっと、こだわる方は、10年ぐらいのサイクルで考えます。暦を見てもらったうえで、「10年後のこの年に建てると、家族全員の運気が上がっているから」などと時期を決め、それに向けて準備をしていくわけです。

ゆっくり時間をかけて、家を建てていったのです。

 

余裕を持つことで生まれる色々なメリット

そこまでではなくても、余裕を持って家作りをして欲しいと思います。借金返済に一生懸命。生活に一生懸命。めまぐるしい暮らしをしていると、前回お話ししたような「手入れする」ということに気持ちが向かなくなってしまうのです。一昔前までは、結婚して、子どもが生まれたころに夢のマイホームを建てようという話が持ち上がり、そのために、一生懸命、5~6年かけて土地を買うための頭金を溜めました。そして、その間に土地を探したのです。買った土地は、家を建てるまでは家庭菜園なんかして、利用しました。今は、空いた土地は、貸し駐車場にする人もいますが、そんな考えも、あまり無かったころ、近所の人や、農家さんなどと交流を深めていきました。菜園の話などしつつ、いろいろな人とお話をしてくなかで、知恵のあるおじいちゃんや、おばあちゃんに聞きながら家の勉強をしていたはずなんです。その土地の住宅事情を聞きつつ、家について勉強をしてからやっと、家を建てるということが多かったんです。

【ながら加藤建築】スローライフ日本家屋

「苦にならない」というのは、
「生活していくうえで違和感を感じない」

情報もゆっくり集め、お金もしっかり溜めてから建てるので、失敗も少なかったはずです。若いときに、無理をして建てると思っていたように建てることができ ず、建て直したり、数年でリフォームしたりすることになってしまう。世間に煽られて、建ててしまっている人もいるかもしれません。

【ながら加藤建築】スローライフ日本家屋

例えば、「便利」で「安い」という土地には、やはり、何かしらの事情があることが多いものです。以前、親戚が土地を買おうとして「一緒に見て欲しい」と相談されたことがあります。確かに便利な場所でしたが、100メートル先は運河で裏は2メートルの絶壁でした。地震があったら、液状化は間違いないような土地でした。家のこと、土地のこと、もっと興味を持ってゆっくり時間をかけて勉強して家を建てて欲しいものです。

大切な家族が、毎日暮らす「家」なのですから。

 

 

大黒柱と土壁のある日本家屋がわかる本

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匠が物申す

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日本家屋・木造住宅の大工「棟梁」として

現代の住宅事情が抱える実はという問題や
これから起こるかもしれない様々な局面を

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ようやく見直され始めた「日本のものづくり」
「大工仕事」の観点から分かり易く解説していきます。