建物は基礎と骨組み

家は買うものではなく、建てるもの

家を建てる施主さんと家を建てる棟梁が顔と力を合わせて建てるのが本当の家づくりです

匠

屋根土と壁土

匠が物申す vol.17
  • 土壁の話
  • 屋根の話

土は育つ、土は甦る

現在の工法の屋根瓦は、野地板の上に防水材を張り、その上に桟(さん)を打ち、その桟に瓦を留めて葺(ふ)いていくようです。僕の場合は、防水材も張りますが、その上に檜皮(ひがわ=ヒノキの皮)を敷いていきます。

【ながら加藤建築】屋根土と壁土

その檜皮の上に桟を打ってから屋根土を乗せてから瓦を葺いていくのです。

阪神淡路大震災の後「屋根土を乗せると倒れやすい」と、よく言われました。でも、僕のような従来工法で建てた家なら、屋根の重さが原因で倒れるということはまずありません。

柱の重みも、屋根土の重さも、むしろ、倒壊を防ぐためには必要なんです。それに、屋根土は断熱効果もあります。

メンテナンスさえきちんとしていれば
孫末代まで長持ちする、丈夫な家。
それが、従来工法の建て方です。

 

屋根土、壁土の仕掛人「どろんこ屋さん」

さて、この屋根土や、土壁の土を作っているのが、

通称、ドロコン屋さんです。

【ながら加藤建築】屋根土と壁土

赤土+砂(砕石)+粘土+藁すさ+水で、できていて水や藁すさの配合や、寝かせる期間によって屋根土になったり、壁土になったりします。

※藁すさ:古い藁やむしろを2cmほどに切ったものを、叩いて水につけて柔らかくしたもの。
 関東方面では、すさではなく「つた」といわれる。

 

【ながら加藤建築】屋根土と壁土

赤土は「土地のもの」を使います。赤土のままだと干割れ(ひわれ)しやすいのですが、この状態を「土が『若い』」なんて言います。崩れやすいのです。

そこに、水や藁すさを足しながら、何ヶ月も寝かせて、土を育てていくのですが、一週間もしないうちに、発酵して藁が柔らかくなるんです。壁土は、屋根土より水分も藁も多めで柔らかく屋根土のほうが、固いんですね。

もし屋根土が柔らか過ぎると、瓦が沈んでしまいます。固い土にぐっと抑えながら、密着させていくのです。

屋根土は、長く置き過ぎてはいけません。逆に、壁土は長く置かなければ、粘りが出ないので期間を要します。「お城の支度は材木よりも先に土を用意しろ」と言われていたほどです。壁土は、藁が発酵していくので、かなり匂いもあります。でも、それは塗り終わって乾いてくると驚くほど消えてしまうんですね。

 

【ながら加藤建築】屋根土と壁土

育てている土をひっくり返すと、中は真っ黒です。微生物が、藁をくいながら発酵していくんです。ひっくり返して新しい空気を入れたり干ばつが続くと水を与えたり水や空気を与えながら、時間をかけて育てていくんですね。

水を加えている限り、土は発酵し続けますが、乾き出すと微生物も活動できずに固まっていきます。そうして、使われた土たちは、リサイクルできるってご存じでしたか?何百年も経ってから、解体して出てきた土も漆喰さえ取ってしまえば、水を与えてやると復活できる。再利用できるので、永久に使えるんですね。

 

家の素材も「ぐるぐる」循環リサイクル

昔の人はぐるぐる循環するように、考えていたんです。古くなった城や古民家を解体しても、柱も土も使えるんですね。僕は、いつかボルトも一切使わない、循環できる素材だけで家を造りたいと思っています。実際に、それをやっておられる大工さんが日本にいます。僕も、それを目指しています。日本の家と山林の関係も「循環」です。興味のある方は『日本の仕事、日本の山』も合わせてご覧くださいね。

土関連では「土壁」についても 詳しく説明したコンテンツの「呼吸する土壁があります。また実際に施主様が「土壁塗り」をされている様子が見られる「先輩インタビュー」もあります、興味のある方はぜひご覧下さい。

 

【ながら加藤建築】資料請求

大工の棟梁が心意気で配る、思いの詰まった小冊子!

匠が物申す

クリックすると該当項目が上位表示されます

匠が物申す!

日本家屋・木造住宅の大工「棟梁」として

現代の住宅事情が抱える実はという問題や
これから起こるかもしれない様々な局面を

日本の風土や気候に合った「日本家屋の棟梁」 だから話せるそんなお話をまとめたシリーズ 「匠が物申す!」
日本家屋の基礎にある「棟と梁」「大黒柱」「土壁」

ようやく見直され始めた「日本のものづくり」
「大工仕事」の観点から分かり易く解説していきます。